1: ダース・シコリアン卿 ★ 2017/05/17(水) 21:08:41.07 ID:CAP_USER
政治学者の姜尚中さんの「AERA」巻頭エッセイ「eyes」をお届けします。時事問題に、政治学的視点からアプローチします。
朝鮮人民軍が創建85周年を迎えた4月25日。日本は、非常事態がいつ起きても不思議ではないという報道や言説がメディアを通じて流され、まるで「開戦前夜」のような異様な空気に包まれました。
しかし、冷静に考えてみれば韓国大統領選挙は目前でしたし、北朝鮮とある意味で平和的な交渉を考えている文在寅(ムンジェイン)氏が最有力候補だったことをみても、選挙前に北朝鮮が自分たちに不利な選挙結果になりかねない決定的な挑発をするとは考えられないはずです。
日本でも、安倍首相の外遊は予定通りという発表が一番の危機とされた25日にされているのですから、報道各社が外遊日程を見極めれば、今回のことがある種のマヌーバー(策略)に近かったということがわかったはずでした。
さかのぼれば、1994年、クリントン米大統領は寧辺(ヨンビョン)の核施設を爆撃するという計画を秘密裏に策定し、中止になった経緯があります。今回、米国はカールビンソンなどを動員して派手で芝居がかったブラフを演出し、北朝鮮に心理的圧力をかけました。
しかし、94年から比べると北朝鮮の攻撃力は比べ物にならないくらいアップしており、中国の国力も増しています。そう考えると、トランプ政権ができることは外交的手段による解決しかないはずです。
一方、このことで米国のトランプ政権の国内問題や日本の森友問題、共謀罪なども随分とフェードアウトしました。
中国は米国との共同歩調のようなものが出来上がり、北朝鮮は金正恩が国際メディアで自分を売り出す絶好の機会になりました。北朝鮮も米国も中国も日本もみんな丸く収まっているのです。
もちろん北朝鮮がやすやすと核開発を放棄するとは思えませんから、依然として危機は払拭されていませんが、やはり日本であった「開戦前夜」のような報道は異様でした。
ある意味、今回のことで日本の識者やメディアが、どのような反応を見せるのか、シミュレートされたと思います。
戦前、ジャーナリストの桐生悠々は「関東防空大演習を嗤う」と書いています。こんな時こそ、不謹慎といわれるかもしれませんが、「嗤う」気持ちを持たないといけないのかもしれません。
https://dot.asahi.com/aera/2017051500081.html
朝鮮人民軍が創建85周年を迎えた4月25日。日本は、非常事態がいつ起きても不思議ではないという報道や言説がメディアを通じて流され、まるで「開戦前夜」のような異様な空気に包まれました。
しかし、冷静に考えてみれば韓国大統領選挙は目前でしたし、北朝鮮とある意味で平和的な交渉を考えている文在寅(ムンジェイン)氏が最有力候補だったことをみても、選挙前に北朝鮮が自分たちに不利な選挙結果になりかねない決定的な挑発をするとは考えられないはずです。
日本でも、安倍首相の外遊は予定通りという発表が一番の危機とされた25日にされているのですから、報道各社が外遊日程を見極めれば、今回のことがある種のマヌーバー(策略)に近かったということがわかったはずでした。
さかのぼれば、1994年、クリントン米大統領は寧辺(ヨンビョン)の核施設を爆撃するという計画を秘密裏に策定し、中止になった経緯があります。今回、米国はカールビンソンなどを動員して派手で芝居がかったブラフを演出し、北朝鮮に心理的圧力をかけました。
しかし、94年から比べると北朝鮮の攻撃力は比べ物にならないくらいアップしており、中国の国力も増しています。そう考えると、トランプ政権ができることは外交的手段による解決しかないはずです。
一方、このことで米国のトランプ政権の国内問題や日本の森友問題、共謀罪なども随分とフェードアウトしました。
中国は米国との共同歩調のようなものが出来上がり、北朝鮮は金正恩が国際メディアで自分を売り出す絶好の機会になりました。北朝鮮も米国も中国も日本もみんな丸く収まっているのです。
もちろん北朝鮮がやすやすと核開発を放棄するとは思えませんから、依然として危機は払拭されていませんが、やはり日本であった「開戦前夜」のような報道は異様でした。
ある意味、今回のことで日本の識者やメディアが、どのような反応を見せるのか、シミュレートされたと思います。
戦前、ジャーナリストの桐生悠々は「関東防空大演習を嗤う」と書いています。こんな時こそ、不謹慎といわれるかもしれませんが、「嗤う」気持ちを持たないといけないのかもしれません。
https://dot.asahi.com/aera/2017051500081.html
引用元: ・【AERA】日本であった報道は異様でした 姜尚中「日本だけ北と『開戦前夜』 解決策は外交的手段のみ」[5/16]
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