つかこうへい。ご存じ、演劇界に旋風を巻き起こし、6年前に亡くなった演出家・作家である。名前の前に「い」を付けると「いつか公平」になる。そうした名の由来を本人は生前、時に「新聞記者の作り話だ」と否定した。
しかし、酔った時などには「いつか公平な社会になってもらいたいという意図をしみじみと語ることがあった」という。
「この朝鮮人が!」--。舞台では刺激的な言葉が飛んだ。自身が在日韓国人で、テーマはいつの時も、誰が見ても、差別問題で一貫していた。
高校の同級生で「差別はされていなかった」と話す人もいるようだが、そうしたことを聞くとかえって「心の内に押し込んだ苦しみがあったのだろう」と思えてくる彼の演劇だ。幾度か酒席を共にしてもらったときも、ナイーブさを秘めた人だと感じた。
沖縄県で米軍施設建設に反対する人を警察官が「土人」とさげすんだ問題で、沖縄政策に関わる大臣が「差別と断じることはできない」などと発言して物議をかもした。
確かに「土人」という言葉は数十年前まで、普通に使われていたし、使う人の大半に明確な差別意識はなかったと思う。ただ、戦時中に支配下に置いた民族などを「未開の原住民」と笑う風潮がかつての日本にあったことは否定できない。
だからこそ、その意も含む「土人」を公務員が使うと、処分の対象になるまでに人々の意識を変えてきたのが戦後の歴史だった。
つかさんは舞台で「土人」の言葉も使った。もちろん差別的な意味合いがあるからこそ生きるセリフだ。演劇で「いつか公平」を訴えた、つかさんは、差別を擁護するかのような政治家が出てきたことを泉下でどう感じているだろうか。
http://mainichi.jp/articles/20161128/ddl/k14/070/064000c
しかし、酔った時などには「いつか公平な社会になってもらいたいという意図をしみじみと語ることがあった」という。
「この朝鮮人が!」--。舞台では刺激的な言葉が飛んだ。自身が在日韓国人で、テーマはいつの時も、誰が見ても、差別問題で一貫していた。
高校の同級生で「差別はされていなかった」と話す人もいるようだが、そうしたことを聞くとかえって「心の内に押し込んだ苦しみがあったのだろう」と思えてくる彼の演劇だ。幾度か酒席を共にしてもらったときも、ナイーブさを秘めた人だと感じた。
沖縄県で米軍施設建設に反対する人を警察官が「土人」とさげすんだ問題で、沖縄政策に関わる大臣が「差別と断じることはできない」などと発言して物議をかもした。
確かに「土人」という言葉は数十年前まで、普通に使われていたし、使う人の大半に明確な差別意識はなかったと思う。ただ、戦時中に支配下に置いた民族などを「未開の原住民」と笑う風潮がかつての日本にあったことは否定できない。
だからこそ、その意も含む「土人」を公務員が使うと、処分の対象になるまでに人々の意識を変えてきたのが戦後の歴史だった。
つかさんは舞台で「土人」の言葉も使った。もちろん差別的な意味合いがあるからこそ生きるセリフだ。演劇で「いつか公平」を訴えた、つかさんは、差別を擁護するかのような政治家が出てきたことを泉下でどう感じているだろうか。
http://mainichi.jp/articles/20161128/ddl/k14/070/064000c
引用元: ・【毎日新聞】差別は差別=川崎支局長・市村一夫/神奈川[11/28] [無断転載禁止]©2ch.net
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