1: 雨宮◆3.yw7TdDMs 2015/02/03(火)19:05:58 ID:Hal
二木 一強多弱の政治状況の中、日本は安倍的な世の中になりつつあります。
それと関連しているのか社会全体がおかしいなと思うのですが、どうとらえていますか。
青木 最近、ひどいなと思ったのがサザンと爆笑問題の件ですね。
ああいう発言、行動が許されなくなっている。嫌韓、嫌中本を出し、
(その種の)報道を続けるマスコミのせいで、普通の人の中にも排他的で不寛容な考えが広がってしまったのではないでしょうか。
二木 ネットの影響もありますよね。ネットは良い意味でも悪い意味でも料理に使う包丁のようなものだけれど、
自制なく振り回してしまっている。
青木 ネットは出始めのころは、どこの国でもカウンターカルチャーでした。2002年から2006年まで通信社の特派員で韓国にいたのですが、
当時の主要メディアが保守的だったのに対し、ネットはリベラルで、反権力、反メディアでした。
オーマイニュースがそうでしたね。今の日本の場合、メディアの建前論、きれいごとに対するカウンターとして出てきているのか、ヘイトが目立ちますね。
二木 なぜ、ネット社会でヘイトが目立つのでしょうか。
青木 (戦後の復興と高度成長で)アジアで群を抜いた先進国になっていた日本ですが、
今では韓国にほぼ並ばれ、中国にはGDPで追い抜かれた。そういった国際情勢の中で国民に余裕がなくなっている。
さらに新自由主義社会の中で格差が拡大し、持ってない人が虐げられている人を叩いて留飲を下げる。
そういうことが複合的に出ていると思います。ネットはそうした言動が最も出やすいところですね。
二木 僕は団塊の世代だけど、かつては格差や矛盾があったら、怒りの矛先は上に向かったものです。
ところが、小泉政権以降かな、弱者を踏みつけるようになった。
青木 ウンベルト・エーコ(イタリアの作家・哲学者)が指摘しているように、排他と不寛容は、どこの時代、どこの国にもある。
それ自体は珍しいことではないですが、日本は確かに弱者に向かっている。やはり、周辺国に対して余裕がなくなったからでしょう。
二木 そうした風潮の中で、メディアが反中、嫌韓報道をし、それが受け入れられてしまう。売れてしまう。いったい何なんだろうと思いますね。
(つづく)
▽あおき・おさむ 1966年、長野県生まれ。慶大文卒。共同通信社で社会部、ソウル特派員。06年からフリー。
主な著書に「日本の公安警察」「トラオ」「誘蛾灯」「青木理の抵抗の視線」などがある。
http://nikkan-gendai.com/articles/view/lifex/156889/1
http://nikkan-gendai.com/articles/view/lifex/156889/2
http://nikkan-gendai.com/articles/view/lifex/156889/3
それと関連しているのか社会全体がおかしいなと思うのですが、どうとらえていますか。
青木 最近、ひどいなと思ったのがサザンと爆笑問題の件ですね。
ああいう発言、行動が許されなくなっている。嫌韓、嫌中本を出し、
(その種の)報道を続けるマスコミのせいで、普通の人の中にも排他的で不寛容な考えが広がってしまったのではないでしょうか。
二木 ネットの影響もありますよね。ネットは良い意味でも悪い意味でも料理に使う包丁のようなものだけれど、
自制なく振り回してしまっている。
青木 ネットは出始めのころは、どこの国でもカウンターカルチャーでした。2002年から2006年まで通信社の特派員で韓国にいたのですが、
当時の主要メディアが保守的だったのに対し、ネットはリベラルで、反権力、反メディアでした。
オーマイニュースがそうでしたね。今の日本の場合、メディアの建前論、きれいごとに対するカウンターとして出てきているのか、ヘイトが目立ちますね。
二木 なぜ、ネット社会でヘイトが目立つのでしょうか。
青木 (戦後の復興と高度成長で)アジアで群を抜いた先進国になっていた日本ですが、
今では韓国にほぼ並ばれ、中国にはGDPで追い抜かれた。そういった国際情勢の中で国民に余裕がなくなっている。
さらに新自由主義社会の中で格差が拡大し、持ってない人が虐げられている人を叩いて留飲を下げる。
そういうことが複合的に出ていると思います。ネットはそうした言動が最も出やすいところですね。
二木 僕は団塊の世代だけど、かつては格差や矛盾があったら、怒りの矛先は上に向かったものです。
ところが、小泉政権以降かな、弱者を踏みつけるようになった。
青木 ウンベルト・エーコ(イタリアの作家・哲学者)が指摘しているように、排他と不寛容は、どこの時代、どこの国にもある。
それ自体は珍しいことではないですが、日本は確かに弱者に向かっている。やはり、周辺国に対して余裕がなくなったからでしょう。
二木 そうした風潮の中で、メディアが反中、嫌韓報道をし、それが受け入れられてしまう。売れてしまう。いったい何なんだろうと思いますね。
(つづく)
▽あおき・おさむ 1966年、長野県生まれ。慶大文卒。共同通信社で社会部、ソウル特派員。06年からフリー。
主な著書に「日本の公安警察」「トラオ」「誘蛾灯」「青木理の抵抗の視線」などがある。
http://nikkan-gendai.com/articles/view/lifex/156889/1
http://nikkan-gendai.com/articles/view/lifex/156889/2
http://nikkan-gendai.com/articles/view/lifex/156889/3
引用元: ・【ゲンダイ】青木理「マスコミの報道で排他と不寛容が広がっていく嫌な世の中。ネットの嫌韓嫌中は日本が経済で中韓に抜かれたせい」[2/3]
続きを読む