朝日新聞社旗
1: ねこ名無し ★ 2017/08/22(火) 19:41:10.25 ID:CAP_USER
北朝鮮を笑えるか? 日朝平壌宣言に戻れ 『山田厚史の地球は丸くない』第100回

北朝鮮を巡るニュースがメディアを賑(にぎ)わしている。核を搭載できるミサイル「火星12」を米軍基地のあるグアム島近くの海域に打ち込むという。発射準備を整え金正恩朝鮮労働党委員長は「米国が先に正しい選択をして行動で見せなければならない」と、米韓合同の演習の中止を求めた。

◆戦時中の日本と似ていないか

北朝鮮の国営放送では、婦人団体会長みたいなおばさんがテレビカメラの前で「アメリカと一戦交えてみたい。包丁を持ってでも戦う」と勇ましく語っている。近隣にこんな国があるのは困ったものだが、テレビの画面を見ていた叔父が

「君ら、笑っているが、私が子供の頃の日本は、これとちっとも変りなかった」

ポツリと言った。叔父は私より12歳年上の昭和11年(1936年)生まれ。9歳で終戦を迎えた。

「天皇陛下万歳」「一億火の玉」「鬼畜米英をやっつけろ」。勇ましいスローガンが今も耳に残っている、という。

8月になると、戦争を振り返るドキュメンタリーや連載記事がメディアを賑わす。何と愚かなことをしたのか。原爆や焼夷弾を落とした戦勝国米国も褒められたものではない。国家は暴走する。戦争へと動き出したら止まらない。悲惨な目に合うのは庶民だ。

戦争の記憶と反省を、忘れてはならない、と記者やディレクターが渾身(こんしん)の思いを込めて力作を提供する。だが、あの時の日本と今の我々は、全く違った人間なのだろうか。

米国は何を学びどんな反省をしたのか。今の北朝鮮は当時の日本と似ていないか。歴史の教訓と現実を結びつけることを私たちはしているだろうか。テレビの映像を見ながら考えさせられた。

あの頃の日本人は、軍部も政治家もメディアも、愚かだった。今の北朝鮮は指導者が狂っている――。それで済ましていないだろうか。

真珠湾攻撃に突入する一連の経過を見ると日本は無謀な戦争へと追い込まれたように思える。包囲網と外交圧力に耐えきれず、日本は勝ち目のない戦争に突入した。弱い者ほど勇ましいことを言い、言葉が自らを縛り退路を断ってしまう。それが太平洋戦争だった。

今の北朝鮮はあの時の日本と同じではないか。国力で数百倍の米国を敵に回して精いっぱいの虚勢を張っている。

日本は政府もメディアも北朝鮮に冷淡だ。拉致問題を起こしたり、要人を他国で暗○したり、国際秩序を無視して核開発する。嫌われることばかり。孤立するのは当然、自業自得と世界は見ている。

いまや「ならず者国家」と見ている北朝鮮だが、かつての日本も米欧から見れば「ならず者国家」ではなかったか。好き好んで「ならず者国家」になる国はない。

◆「北」を追い込んだ責任

アメリカでトランプ大統領の「人種差別意識」が問題になっている。「白人至上主義」という言葉がメディアを賑わす。そんな中、オバマ大統領は「人は生まれながら肌の色で差別するようなことはしない」とネルソン・マンデラ氏の言葉をツイッターで紹介した。

生まれながらのならず者はいない。社会の差別や世界の仕組みが、ならず者やならず者国を生む。国民は食うのに困っているのに核やミサイルにカネを投じ、世界を威嚇(いかく)する。「愚かな行為」だが、そこまで彼らを追い込んだ責任は日本やアメリカにないのだろうか。

国家の凶暴性は日本にもアメリカにも欧州にも中国・ロシアにも潜んでいる。第2次大戦以降の世界情勢が、朝鮮半島北部にある小国の凶暴性を炙(あぶ)り出した。

同盟国だった中国・旧ソ連に見放され、米国からいつ攻撃されるか心配している。「北」は孤立し、猜疑心(さいぎしん)に満ちた「引きこもり国家」になった。

事の起こりは日本の植民地統治だ。1910年、武力を背後に朝鮮を併合した。民族の誇りは傷つき、日本の敗戦で独立へと動いたが、今度は冷戦に巻き込まれた。

半島北部はソ連、南は米国が支配。それぞれ政府が樹立され、分断国家として歩みだす。終戦から5年で朝鮮戦争が起きた。同胞が南北に分かれ、血で血を洗い、全土が戦場となった。

http://www.newsyataimura.com/?p=6800

>>2以降に続く)

引用元: 【元朝日記者】北朝鮮は戦時中の日本と似ている 北を追い込んだ責任は日本やアメリカにないのだろうか[8/22]

続きを読む